フリーランスになって分かったSES時代の恵まれた環境
フリーランスとして独立する道を選んだ方々の多くが、その自由さと収入アップに魅力を感じる一方で、実際に一歩を踏み出してみると「会社員時代は意外と恵まれていた」と気づくことがあります。特にSES(システムエンジニアリングサービス)企業で働いていた方が独立すると、これまで当たり前だと思っていた環境のありがたさを実感することが少なくありません。本記事では、SES企業からフリーランスになって初めて気づいた「隠れた恩恵」や「会社員の特権」について、実体験を交えながら詳しく解説します。独立を考えているエンジニアの方、すでにフリーランスとして活動されている方、そして現在SES企業でキャリアを積んでいる方にとって、キャリアパスを考える上での貴重な視点になるはずです。フリーランスの光と影、そしてSES時代に感謝すべきだった環境とメリットとは何か、一緒に見ていきましょう。
1. フリーランスになって初めて知った!SES時代に当たり前だった「あの恩恵」とは
フリーランスエンジニアとして独立して初めて気づくのが、SES時代に当たり前のように享受していた数々の恩恵です。SESという働き方には様々な意見がありますが、独立後に「あれは恵まれていたな」と実感する点が多々あります。
まず最も大きいのが「安定した収入」です。SESとして働いていた頃は、月末になると決まった金額が振り込まれていました。病欠しても、少し仕事が暇な時期があっても、基本給は保証されていたのです。フリーランスになると、仕事がなければ収入はゼロ。案件の狭間の期間は完全に無収入となります。この収入の不安定さは精神的な負担が想像以上に大きいものです。
次に「福利厚生の充実」も見逃せません。健康保険や厚生年金は会社側が半額負担してくれていましたが、フリーランスになると国民健康保険と国民年金を全額自己負担することになります。実際の金額にして1.5〜2倍の負担増。さらに、住宅ローンの審査や賃貸契約の際も、会社員に比べて不利な立場に立たされることが多いです。
「スキルアップの機会」も大きな違いです。SES時代は会社負担で資格取得や研修を受けられることも多く、社内でのナレッジ共有も活発でした。フリーランスになると、すべての学習コストは自己負担。時間も収入も削って学ばなければならず、効率的にスキルアップする難しさを痛感します。
「営業や契約の手間」からも解放されていたことに気づきます。SESでは営業担当が次の案件を探してくれ、契約書や請求書の処理も会社が行ってくれていました。フリーランスになると、これらすべてを自分で行う必要があります。プログラミングなどの本業以外の作業に多くの時間を取られ、思ったより稼働時間が減ってしまうのが現実です。
最後に「人間関係のバックアップ」も見落とせません。クライアント先でトラブルがあっても、SES時代は所属会社の上司や営業が間に入ってくれることが多かったです。フリーランスでは一人で全てを抱え込まなければならず、交渉や調整のスキルがないと苦労します。
もちろん、フリーランスには自由な働き方や高い収入といったメリットもあります。しかし、SES時代には気づかなかった「恵まれた環境」の存在を知ることで、独立の判断材料としたり、フリーランスとしてのキャリア戦略を練ったりする参考になるでしょう。
2. SESからフリーランスへ転身して気づいた「会社員の隠れた特権」5選
SES企業から独立してフリーランスエンジニアになって初めて気づく、会社員時代の「当たり前」だった特権の数々。「自由になれば全てが良くなる」と思っていた私の目の前に現れた現実は少し違いました。今回は、SES時代には当然と思っていた5つの特権について紹介します。
【特権1】安定した収入と福利厚生
SES時代は月末になると必ず決まった額の給与が振り込まれていました。フリーランスになると、案件がない月は文字通り「収入ゼロ」になります。また、社会保険料の半額負担、住宅手当、交通費支給など、当たり前と思っていた福利厚生の全てが自己負担に。国民健康保険と国民年金の保険料の高さに驚いた経験は、多くのフリーランサーが共感するはずです。
【特権2】案件獲得の手間がない
SES企業では営業担当が案件を取ってきてくれるため、次の仕事を探す不安はありませんでした。フリーランスになると自分で案件を獲得する必要があり、その営業活動や交渉に膨大な時間とエネルギーを使います。クラウドワークスやランサーズなどのプラットフォームがあるとはいえ、安定した高単価案件を継続的に獲得するのは容易ではありません。
【特権3】スキルアップのサポート
SES企業の中には研修制度が充実しているところもあり、業務時間内での勉強会参加や資格取得支援を受けられました。フリーランスでは全て自費・自己投資となり、「勉強している時間=無収入の時間」という厳しい現実があります。新技術のキャッチアップも全て自己責任で行わなければならず、技術的負債を抱えるリスクも高まります。
【特権4】精神的な安心感
プロジェクトが上手くいかなくても、会社という組織のバックアップがあることの安心感は計り知れません。フリーランスでは全てのリスクを一人で背負わなければならず、クライアントとの認識齟齬やトラブルも自分一人で解決する必要があります。法人相手の交渉では個人の立場が弱く、未払いやスコープ拡大などのトラブルに直面することも少なくありません。
【特権5】人間関係の広がり
SES時代は様々なプロジェクトに参加することで、自然と人脈が広がっていました。フリーランスになると意外と孤独で、人間関係の構築に積極的に動かなければ、技術的な相談先すら失ってしまいます。エンジニアコミュニティへの参加などを通じて意識的に交流を持つ必要性を感じています。
フリーランスには自由な働き方や高単価案件を獲得できる可能性など、多くのメリットがあります。しかし、その一方でSES時代に当たり前だった「特権」の価値に気づくこともまた事実です。独立を考えている方はこれらのデメリットも十分に理解した上で、自分に合った働き方を選択することをおすすめします。
3. フリーランス1年目の苦労から学ぶ:SES時代に感謝すべきだった環境とメリット
フリーランスになって真っ先に痛感したのは、SES時代に当たり前のように享受していた「安定」の価値です。フリーランス1年目は案件獲得の不安定さ、収入の波、そして孤独との戦いでした。振り返れば、SES企業での環境には多くの恩恵があったと気づかされます。
まず、収入の安定性は何物にも代えがたいものです。フリーランスでは、案件がない月は文字通り「収入ゼロ」。SES時代は毎月決まった給与が入り、ボーナスも期待できました。株式会社レバレジーズなどの大手SES企業では、福利厚生も充実しており、社会保険料の会社負担分や有給休暇の存在がどれほど貴重だったかを実感します。
次に、スキルアップの機会です。私が所属していたPrime Staffでは、社内研修制度が整っており、最新技術のセミナーや資格取得支援がありました。フリーランスでは全て自己投資となり、案件に追われる日々では学習時間の確保すら難しくなります。
さらに見落としがちなのが「人間関係の資産」です。SES時代は先輩エンジニアに質問できる環境があり、同僚との情報交換も日常的でした。フリーランスになると技術的な壁にぶつかった時、相談できる相手を自分で見つけなければなりません。
税金や保険の手続きも大きな違いです。フリーランスになって初めて確定申告の複雑さに頭を抱え、国民健康保険料の高さに驚きました。SES時代は会社が全て処理してくれていたことに感謝すべきでした。
技術的な成長においても、SESならではの利点があります。アルテリア・ネットワークスやビッグローブなど様々なクライアント先での業務経験は、多様な環境やプロジェクトに触れる貴重な機会でした。フリーランスでも同様の経験は可能ですが、安全網なしでの挑戦はリスクが高いです。
フリーランスの自由と引き換えに失ったものの大きさを実感した1年目。SES時代の「当たり前」が実は大きな価値を持っていたことを、身をもって学びました。これからフリーランスを目指す方は、SESでの経験をただのステップとして軽視せず、その環境で得られるものを最大限に吸収することをお勧めします。