フリーランスになって後悔したこと、SESで良かったこと
# フリーランスになって後悔したこと、SESで良かったこと
エンジニアやプログラマーの方々は、キャリアパスとしてフリーランスへの転身を考えることが多いのではないでしょうか。独立して自由に働ける魅力、高単価案件の可能性など、フリーランスには多くの憧れがあります。一方、SESという形態で働く選択肢もあります。
私自身、フリーランスとSES双方の経験から、思い描いていたのとは違った現実に直面することもありました。この記事では、フリーランスになって後悔したことと、SESで働いて良かったと感じる点をお伝えします。
## フリーランスになって後悔したこと
1. 安定性の欠如による精神的負担
フリーランスの最大の課題は収入の不安定さです。案件がなければ収入はゼロ。この事実は頭ではわかっていても、実際に経験すると想像以上のストレスになります。特に案件の切れ目や、次の仕事を探す期間は心理的プレッシャーが大きく、夜も眠れなくなることがありました。
2. 営業活動の負担
エンジニアとしての技術力があっても、それを仕事に結びつける営業力がなければ仕事は得られません。SNSでの発信、人脈構築、提案書作成など、本来のエンジニアリング以外の業務に想像以上の時間と労力を費やすことになります。技術力向上に使いたい時間が削られる現実は辛いものでした。
3. 孤独との闘い
オフィスで同僚と会話する機会がなくなり、技術的な相談や雑談ができる環境が失われます。リモートワークが一般化した今でも、長期間にわたる孤独は想像以上に精神的負担となります。特に行き詰まったときに相談できる仲間の存在は貴重だと痛感しました。
4. 事務作業・確定申告の手間
会社員時代には経理部や総務部が担当していた業務を、すべて自分で行わなければなりません。請求書発行、経費管理、確定申告など、慣れない事務作業に多くの時間を取られることに後悔しました。特に確定申告期は本業の時間が大幅に削られます。
5. スキルアップの機会減少
チームで働く環境では、コードレビューや先輩エンジニアからのフィードバックなど、自然とスキルアップの機会が得られます。しかしフリーランスでは、そうした機会を自ら作り出さなければならず、知らず知らずのうちに技術的な視野が狭まるリスクがあります。
## SESで良かったこと
1. 安定した収入と福利厚生
SESであれば、案件がない期間も基本給が保証されている場合が多く、生活の安定感が違います。また、社会保険や有給休暇など当たり前と思っていた福利厚生の大切さを実感しました。精神的な安定は創造性や生産性にも大きく影響します。
2. キャリアサポートの存在
良いSES企業では、キャリアカウンセリングや案件紹介、スキルアップのための研修制度が充実しています。自分一人では見つけられなかった案件や、挑戦できなかった技術領域に携わるチャンスがあります。
3. コミュニティの存在
SES企業に所属していると、同じ境遇の仲間や先輩エンジニアとの交流の場があります。技術的な相談はもちろん、精神的な支えにもなる人間関係を築けるのは大きなメリットです。孤独感を感じることなく仕事に集中できました。
4. 技術力向上の環境
良質なSES企業では、案件以外の時間でも技術研鑽の機会が提供されます。社内勉強会や資格取得支援など、エンジニアとしての成長をサポートする制度が整っています。フリーランスでは自己投資の時間を捻出するのが難しい場合がありますが、SESではそういった時間が確保しやすいです。
5. ワークライフバランスの確保
フリーランスでは納期に追われ、深夜まで作業することも少なくありません。対してSESでは労働時間管理が徹底されていることが多く、プライベートの時間を確保しやすい傾向があります。長期的なキャリアを考えると、燃え尽き症候群を避けられる環境は貴重です。
## どちらが自分に合っているのか
フリーランスとSES、どちらが良いかは一概には言えません。重要なのは自分の価値観や状況に合わせた選択をすることです。
- 安定と成長環境を求める方→SESがおすすめ
- 高い自由度と報酬を求める方→フリーランスがおすすめ
ただし、いきなりフリーランスに飛び込むのではなく、SESなどで経験を積みながら人脈を広げ、段階的に独立を目指す方法も賢明です。
## まとめ
キャリア選択に正解はありません。フリーランスにもSESにも、それぞれメリット・デメリットがあります。大切なのは、自分自身の価値観や目標に照らし合わせて、最適な働き方を選ぶことです。
また、一度選んだキャリアパスを変更することも可能です。フリーランスからSESに戻る方もいれば、SESで経験を積んでからフリーランスになる方もいます。自分のライフステージに合わせて柔軟に選択していくことが、エンジニアとしての長期的な成功と幸福につながるのではないでしょうか。
自分に合った働き方を見つけるために、様々な選択肢を検討し、場合によっては実際に経験してみることをおすすめします。皆様のキャリアが実り多きものになることを願っています。