フリーランスが戻りたくないSES事業の7つの理由
# フリーランスが戻りたくないSES事業の7つの理由
IT業界でキャリアを築く選択肢として、SES(システムエンジニアリングサービス)企業での就業と独立してフリーランスになる道があります。一度フリーランスとして活動し始めると、多くのエンジニアがSES業界に戻ることに抵抗を感じるようになります。今回は、フリーランスエンジニアがSES事業に戻りたくないと考える主な理由を7つ紹介します。
## 1. 収入の差が大きい
SES企業では、エンドクライアントへの請求金額とエンジニア本人への支払額の間に大きな差があります。一般的に、エンジニアが受け取る報酬はクライアントが支払う金額の50〜70%程度にとどまります。フリーランスになれば、仲介者を省くことで収入を大幅に増やせる可能性があり、同じ仕事でも1.5〜2倍の収入を得られることも珍しくありません。
## 2. キャリアの自己決定権がない
SES企業では通常、配属先や担当する案件を自分で選ぶことができません。会社の都合で決められるため、自分のスキルや興味と合わない現場に配属されることもあります。フリーランスであれば、自分のキャリアプランに沿った案件を選択できるため、より計画的にスキルを磨いていくことが可能です。
## 3. スキルアップの機会が限られる
SESの現場では、長期にわたって同じ業務を担当することが多く、新しい技術に触れる機会が限られがちです。特に保守運用案件などでは最新技術とは無縁の環境で過ごすことになりかねません。フリーランスであれば、定期的に案件を切り替えて様々な技術に触れることができ、市場価値を高めるスキルを効率的に身につけられます。
## 4. 労働環境の自由度が低い
SES企業の社員はクライアント先の就業規則に従う必要があり、勤務時間や勤務場所が固定されることがほとんどです。フリーランスでは、リモートワークや時間の融通が利く案件を選ぶことができ、ワークライフバランスを自分の裁量で調整できます。
## 5. 多重下請け構造による弊害
SES業界は多重下請け構造になっていることが多く、元請け→一次下請け→二次下請け→三次下請けと続く場合もあります。下請けの階層が深くなるほど実際に働くエンジニアの取り分は減り、コミュニケーションも複雑になります。フリーランスは直接クライアントと契約することで、こうした構造的な問題を回避できます。
## 6. 評価システムの不透明さ
SES企業では、実際に働く現場のクライアントと、評価を行う所属企業が異なるため、評価が適切に反映されないことがあります。フリーランスの場合は、クライアントからの評価が直接次の仕事につながるため、頑張った分だけ正当に評価される環境で働けます。
## 7. 精神的な自由度の違い
雇用されているという状態自体がプレッシャーになる人もいます。常に会社の顔としての振る舞いを求められ、上司や同僚との人間関係にも気を遣わなければなりません。フリーランスになれば、純粋に「仕事の成果」だけで評価され、余計なストレスから解放されることができます。
## まとめ
SES企業での就業には安定性という大きなメリットがありますが、一度フリーランスとして活動を始めると、収入の増加、キャリアの自己決定権、スキルアップの機会など、多くの点で魅力を感じることになります。もちろん、フリーランスにも案件獲得の不安定さなどのデメリットはありますが、IT業界の経験を積んだ後のキャリアパスとして、自立したエンジニア生活を送ることを検討する価値は十分にあります。
フリーランスとしての一歩を踏み出す前に、自分のスキルレベルや市場価値を客観的に評価し、計画的な移行を考えることが成功への近道になるでしょう。