SES1次請けフリーランスが語る業界の真実
IT業界で活躍されている方々、また将来フリーランスエンジニアを目指している皆様、こんにちは。今回は「SES1次請けフリーランスが語る業界の真実」というテーマでお届けします。
SES業界において、多くのエンジニアが2次請け、3次請けという立場で働く中、1次請けとして活躍するフリーランスの実態はあまり知られていません。実は1次請けになることで、年収が大幅に上がるだけでなく、仕事の質や裁量も変わってくるのです。
私自身、大手SIerからフリーランスになり、さらに1次請けポジションを確立するまでの道のりで、数々の挑戦と発見がありました。この記事では、実体験に基づいた収入の実態、キャリア転換のポイント、そして実際に高単価案件を獲得するためのノウハウを包み隠さずお伝えします。
特にIT業界でのキャリアアップや独立を考えている方にとって、この情報が新たな可能性を開くきっかけになれば幸いです。それでは、SES1次請けフリーランスの世界へご案内します。
1. SES1次請けフリーランスの年収公開!知られざる高収入の秘密とは
IT業界で働く方なら一度は耳にしたことがあるであろう「SES」。この業界で1次請け(元請け)として活動するフリーランスの年収は、実は驚くほど高額になることをご存知でしょうか。一般的なエンジニアの平均年収が500〜600万円と言われる中、SES1次請けのフリーランスは年収1,000万円を超える方も少なくありません。
実際に、東京都内でSES1次請けとして活躍しているエンジニアの多くは、月単価80〜120万円の案件を獲得しています。年間稼働率を90%と仮定しても、年収にすると864万円〜1,296万円になります。さらに複数案件を同時に受注する「掛け持ち」ができれば、年収2,000万円も不可能ではないのです。
この高収入を実現する秘密は、中間マージンの排除にあります。SES業界では多重下請け構造が一般的で、エンドクライアントから支払われる金額の30〜50%が中間マージンとして各社に分配されていきます。1次請けフリーランスはこの中間マージンを自分の取り分にできるため、同じスキルを持つ会社員やSES企業所属のエンジニアと比較して、圧倒的に高い報酬を得られるのです。
ただし、高収入を得るためには高いスキルや実績はもちろん、営業力や提案力、そして契約や請求管理などの事務処理能力も求められます。また、クライアントとの信頼関係構築や品質保証の責任も1次請けとしては重要です。
特に価値が高いのは、特定の業界や技術に特化した専門性です。金融系システム、医療系システム、AI・機械学習、ブロックチェーンなど、専門性の高い分野ではさらに高単価な案件を獲得できる可能性があります。実際、某大手金融機関のシステム開発案件では、専門知識を持つフリーランスエンジニアに月額150万円以上の報酬が支払われるケースもあります。
SES1次請けフリーランスとしての高収入は決して夢物語ではありません。適切なスキル習得と営業戦略で、多くのエンジニアが実現可能な選択肢なのです。
2. 大手SIerからの独立体験記:1次請けフリーランスへの転身で人生が変わった理由
大手SIerに勤務していた頃、私の一日は朝8時の通勤ラッシュから始まり、終電間際まで続く長時間労働が当たり前でした。月の残業時間は常に80時間を超え、心身ともに限界を感じていました。年収は600万円程度でしたが、実働時間で割ると決して高くない報酬でした。
転機となったのは、あるプロジェクトでフリーランスのエンジニアと一緒に働いたことです。彼は私より短い時間で効率的に仕事をこなし、月収は私の倍以上。しかも自由な働き方を実現していました。「このままでいいのだろうか」という疑問が日に日に大きくなっていきました。
独立を決意してから、まず取り組んだのは自分のスキルの棚卸しです。私はJavaとSpringフレームワークを使った金融系システム開発に強みがありました。次に、SES案件を直接受注できるよう人脈構築に努めました。元の職場の上司や、過去のプロジェクトで知り合った他社の管理職に連絡を取り、独立の意向を伝えました。
最初の1次請け案件は、以前勤めていた会社のクライアントから直接いただきました。システム開発のプロジェクトマネージャーとして月単価80万円。これは大手SIer時代の約2倍の収入でした。責任は重くなりましたが、中間マージンがなくなった分、クライアントにとっても私にとってもWin-Winの関係を築くことができました。
独立して最も変わったのは、働き方の自由度です。案件によっては完全リモートワークも可能になり、自分の裁量で仕事のペースを決められるようになりました。また、興味のある技術分野に特化した案件を選べることで、スキルアップも加速しました。
もちろん苦労もあります。契約が切れた後の空白期間のリスク、確定申告などの事務作業、自己研鑽の時間確保など、サラリーマン時代には考えなかった課題も多くあります。特に最初の1年は、安定した案件獲得に不安を感じる日々でした。
それでも、NTTデータやIBM、富士通といった大手との直接取引が増えるにつれて、経験値と信頼も積み上がり、年収は独立前の2〜3倍に達しました。現在は月に15〜20日の稼働で、年収1500万円程度を実現しています。
私の経験から、SES業界で1次請けフリーランスとして成功するためのポイントは以下の3つです。
1. 特定の分野での専門性を高める(私の場合は金融系Javaシステム)
2. 信頼関係を構築できるコミュニケーション能力
3. プロジェクトマネジメントスキル
技術力だけでなく、クライアントの課題を理解し解決策を提案できる「ビジネスパートナー」としての姿勢が、単なる「リソース」ではなく1次請けとして選ばれる大きな差別化要因になります。
独立は決して楽な道ではありませんが、自分のキャリアを自分でコントロールできる喜びは何物にも代えがたいものです。SIerでの経験を活かしながら、より自由に、より高い報酬で働きたいと考えているエンジニアの方には、ぜひチャレンジしてみることをお勧めします。
3. エンジニアキャリアの頂点?SES1次請け案件の探し方と単価交渉のコツ
SES業界において「1次請け」の立場を獲得することは、多くのフリーランスエンジニアにとって大きな目標です。実際、1次請けになれば中間マージンが削減され、高単価案件を直接受注できるチャンスが広がります。しかし、その道のりは決して平坦ではありません。
まず1次請け案件を見つけるためには、従来のエージェント頼みから脱却する必要があります。最も効果的なのは「直接営業」です。特に自分の技術スタックを活かせる業界のエンドクライアントに対して、LinkedInやWantedlyなどのプラットフォームを活用したアプローチが有効です。CTO、開発部長クラスとの接点を意識的に増やしていきましょう。
また、既存のクライアントからの紹介も強力な手段となります。2次請け、3次請けの案件でも、担当者と良好な関係を構築し、「次回は直接取引したい」と伝えておくことで、新規案件が発生した際に声がかかることがあります。
単価交渉においては、「市場価値」よりも「課題解決力」で勝負することが重要です。例えば、単に「Java開発ができます」ではなく、「過去にECサイトのパフォーマンス問題を解決し、コンバージョン率を15%向上させました」といった実績ベースの提案が効果的です。
さらに、契約形態にも注目しましょう。時給制よりも成果報酬型や固定報酬型の契約を提案することで、クライアントのリスクを軽減しつつ、自分の実力次第で収入を増やせる可能性があります。例えば、基本報酬+成功報酬の組み合わせは、双方にとってWin-Winとなる場合が多いです。
交渉の場では、「他社ではいくらで提案されています」という圧力に負けないことも大切です。あなたの技術力や経験が、他のエンジニアでは代替できない価値を持っていることを具体的に説明できれば、単価の引き下げ要求を跳ね返せる可能性が高まります。
1次請けとして立場を確立するには、技術力だけでなく、コミュニケーション能力やビジネス感覚も求められます。プロジェクト全体を俯瞰し、クライアントの事業目標に貢献できるエンジニアになることが、真の意味でのキャリアの頂点と言えるでしょう。地道な実績積み重ねと戦略的な人脈形成が、SES業界における自由と高収入への道を切り開きます。